記事: チェーンステッチという手仕事
チェーンステッチという手仕事

一本の糸が、布の上を走る。
チェーンステッチ。その名の通り、鎖のように糸を繋いでいく刺繍の技法です。工房の職人が、手元を見つめながら一針ずつ布に描いていく。ミシンのような均一さはない。代わりにあるのは、手書きの文字のような揺らぎと、糸が生み出す独特の立体感。

lords of lotus の Urban Doodle shirt では、チャコールの20'sシーチングの上に、多色の糸でドローイングのようなモチーフが描かれています。紙舟、小鳥、名もなき道、夜空に散る星。一見するとプリントのようでいて、近づくと一本一本の鎖目が浮かび上がる。その驚きが、この技法の魅力です。
同じ図案であっても、縫う人の手の癖、その日の呼吸で、仕上がりは微かに変わります。だから世界にまったく同じ一着は存在しない。それは「不完全さ」ではなく、手仕事だけが持つ「一回性」です。

Doodle Stitch tee では、天竺のTシャツという日常的なアイテムに、同じくハンド刺繍を施しています。Tシャツに手刺繍。その組み合わせの意外さが、着る人の気分をほんの少し動かしてくれるはずです。
量産では許されない時間のかけ方。それが、チェーンステッチという手仕事の本質です。
Each piece, made with intention.
